コラムcolumn

九星気学を使ったコミュニケーションの構築について①

整体 スクール 学校 マッサージ 九星気学

先日、『九星気学を使ったコミュニケーションの構築』という名目で学術研究発表を行いました。

以下の文は提出した論文になります。

また後日、わかりやすくまとめた文章で論文の内容を説明いたします。

【目的】

私たちは施術者として、患者さんの不調を改善させるために、真摯に向き合い、患者さん1人1人に対して多方面から『知る』姿勢が重要となる。そこでは施術者と患者間のコミュニケーションが何より不可欠となる。今回私たちは、『九星気学』が東洋医学の基本思想である五行説と関連していることを応用し、これを一つのツールとして検討し、生かすことができればと思いテーマに選んだ。九星気学とは、生まれた生年月日によって9つの星に分類される占術であり、生年によって定まる九星を本命星、生まれ月によって定まる九星を月命星という。例えば九星の一つである「一白水星」は、名前からもあるように、水の性質があるので、「状況によりどんな形にも変化できるという順応性がある」という気質を持っている。今回の研究により、今後様々なタイプの患者と関わる中で、臨機応変に受け入れ対応する能力が大切であるのを理解することを目的とする。

 

【方法】

266名の方にアンケートを依頼した。1.性格の特徴が表れやすい質問事項(例:悩みやすい等)を11問用意し、「あてはまる = 1」「ややあてはまる = 2」「あまりあてはまらない = 3」「あてはまらない = 4」の4択のいずれかを回答2. 嗜好の共通性があるかを検討するため、「好きな映画のジャンル」を9つの中から選択回答、3. 各々の本命星・月命星が属する五行の相克関係に焦点を絞り「苦手な人はどんなタイプか」を9つの中から選択回答、4. 象意(しょうい)というキーワードを選択肢として並べた場合、それぞれの気質に当てはまる単語を選択、5. 今まで施術を受けた際「印象に残っている施術者の言葉」があれば具体的に記載、で構成される合計5題とし、回答の所要時間はおよそ5分とした。設問1に関しては、1~4までの数値化された回答値を統計処理して解析した。統計処理は、株式会社社会情報サービスBellCurve エクセル統計 for Windows アカデミック版を用い、多項ロジスティック回帰分析、ノンパラメトリック検定(Kruskal-Wallis検定)と多重比較(Steel-Dwassの方法)を行った。有意水準は5%未満(p < 0.05)とした。(文献1)

 

【結果】

1)アンケートの回答者と属性

アンケートの回収者数は266名であった。男女の内訳は男性130名、女性135名、性別未回答1名であった。年齢構成は18~67歳(31.78 (10.63) 平均 (標準偏差))で、男性18~67歳(29.78 (9.39))、女性18~62歳(33.64 (11.44))であった。女性の年齢分布が正規性を表したのに対し、男性の年齢分布は低い側に偏っており(中央値27.50歳)、女性の年齢の方が有意に高いという結果であった(Mann-WhitneyのU検定、P < 0.05)(グラフ1)。なお、男女比に有意差は見られなかった(χ2 = 0.0943, P = 0.76)

本命星は生まれ年で決まり、今回の回答に欠損値がなかった(n = 266)が、月命星は生年月日で決まり、回答に3名分の欠損値があったため集計数は263となった。各々の内訳を表1に示す。なお、全回答者(n =266)における本命星の構成比は、平成25年度における日本人の年齢構成(文献2)から推計した18~67歳の本命星の構成比に対し、有意な偏りを認めた(χ2 = 29.24, P < 0.001)。一方、月命星については、1年365日を、本命星など独自の規則によって9つに割り当てている。総人口における月命星の比率を推計できるデータを見つけることはできなかったものの、九星各々の確率は本命星よりも規則的な1/9になることが予想できることから、各九星の期待度数を1/9の近似値としてχ2値を算出した場合には有意な偏りは認めなかった。また、本命星・月命星各々の九星における男女比に有意差は見られなかった(χ2 = 各々0.002, 0.00、 P = 0.96, 1.00、 Kruskal-Wallis検定)。

2)質問1(11項目)に対する回答

(1)本命星・月命星と回答との相関(表2)

全11項目の質問と回答値(1~4)について、本命星別にカテゴリ化し、多項ロジスティック回帰分析を行った結果、「優柔不断である」の質問に対し、本命星との相関性を認めた(P = 0.0147)。「優柔不断である」の質問に対する本命星別の回答値(1~4)について、Kruskal-Wallis検定で有意な差を認め(P = 0.0397)、Steel-Dwassの多重比較により、七赤金星の回答値が八白土星の回答値に対し有意に高かった(平均:2.75 vs 2.0、 P = 0.0443)。

全11項目の質問と回答値(1~4)について、月命星別にカテゴリ化し、多項ロジスティック回帰分析を行った結果、「聞き役のほうが好き」の質問と、月命星の回答との間に相関性を認めた(P = 0.0135)。また、「優柔不断である」の質問と、五黄土星の回答との間に相関性を認めた(平均:2.79、P = 0.0219)。さらに、「聞き役の方が好き」の質問に対する月命星別の回答値(1~4)について、Kruskal-Wallisで有意な差を認め(P = 0.0177)、Steel-Dwassの多重比較により、五黄土星の回答値が一白水星の回答値よりも有意に高かった(平均:2.48 vs 1.76、P = 0.0496)。

(2)年代と回答との相関

回答者を年齢別に、10代(18~19歳、n = 18)、20歳以上25歳未満(n = 64)、25歳以上30歳未満(n = 54)、30歳以上35歳未満(n = 36)、35歳以上40歳未満(n = 23)、40歳以上45歳未満(n = 33)、45歳以上50歳未満(n = 15)、50歳代(n = 16)、および60歳以上(n = 3)にカテゴリ化し、各々の回答値(1~4)との多項ロジスティック回帰分析を行ったところ、回帰式の有意性(P < 0.001)を認め、10代には「優柔不断」と回答する傾向(P = 0.0338)、40代以降は40歳未満に比べて「負けず嫌い」ではないと回答する傾向(P = 0.0309)、45歳以上60歳未満には「論理的に考える」と回答する傾向(P = 0.0424)、および10代から30歳未満には「気分にむらがある」と回答する傾向(P = 0.0023)が、各々強く認められた。また、50歳代の「悩みやすい」に対する回答にも相関性(P = 0.0450)を示した。

(3)性別と回答との相関

回答者を男女に別け、二項ロジスティック回帰分析を行ったところ、「初対面でもすぐ打ち解けられる」、「強がりなところがある」、「わかりやすいと言われる」の3つの質問について、女性よりも男性の回答値の方が有意に高かった(各々P = 0.0142、0.0033、0.0406)。一方、「負けず嫌いである」の質問については、男性よりも女性の回答値が有意に高かった(P = 0.0020)。

 

3)質問2「好きな映画のジャンル」について

全体的に「アクション」を選択する回答者が多い(266人中88人、33.1%)中で、六白金星では33名中10名(30.0%)が、「ドキュメンタリー」を選択した。

 

4)質問3「苦手な人のタイプ」について

特記すべき傾向が見られなかった。九紫火星の特徴である「上から目線」を選択した回答者が、どの星も多かった(266人中127人、47.7%)。

 

5)質問4「象意(九星別キーワード)」について

特記すべき傾向は見られなかった。

 

6)質問5「印象に残っている施術者の言葉」について

特記すべき傾向は見られなかった。

考察】

「九星術」は552年に日本に伝えられたと言われ、江戸時代には「家相」などにも方位術として用いられたという。大正時代(明治42という記載も)に園田真次郎により九星術が「気学」として広められたものが九星気学であるとされる(文献番号)。九星気学は、今日、日本で最もよく知られる占術であり、一般に運勢・相性・方位を占うことに使用されているが、性格や相性を判断する際、18歳までは月命星、19歳以降は本命星を用いるとされる(文献)。

アンケートの回答者と属性についてであるが、今回行ったアンケート調査では、日本の総人口の年齢構成から推計した本命星と、回答者の本命星に有意な偏りが見られた。これは、本命星が生まれ年によって決まるもので、確率が9年に1回であるということが強く影響したものと考えられる。人数が最小であった一白水星(n = 8)と、最大であった二黒土星(n = 44)との間には5.5倍の開きを認めたが、その要因は、1学年の回答者のうち早生まれ(節分後の生まれ)が極端に少なく、早生まれ以外(節分前の生まれ)の回答数が大多数を占めたことによるものと考えられる。また、女性の平均年齢の方が男性の平均年齢よりも高かったことも、調査対象対象の構成を反映していることが理由であると考えることができる。これらのことから、今回の調査研究は、特定の年齢構成を持つ集団から抽出されたサンプルデータであり、日本人全体から無作為に抽出されたデータではないという欠点を有していることがわかった。また、あくまでもアンケート調査であるため、全ての回答者が本音や直感で回答していたわけではないことも予想される。しかし今回は、矛盾した回答やいいかげんな回答を除外する項目を設けていないため、全ての回答者が本音や直感で回答したものと仮定して考察することとした。

質問1(11項目の設問)に対する回答については、まず、本命星と回答との間に相関を認め、七赤金星の回答値が八白土星の回答値に対し有意に高かった。このことは、八白土星の本命星を持つ者が七赤金星の本命星を持つ者よりも優柔不断であると自覚している傾向があると解釈できる。今回の調査では、本命星の構成には歪みを認めたが、最も差の大きかった一白水星と二黒土星との間にはいずれの回答値にも差はなく、むしろ回答値に差を認めた七赤金星と八白土星の年齢構成には大きな差はない。また、いずれの本命星も男女比に有意差は認めなかった。以上のことから、この結果は年代や性別の影響ではなく、九星独自の特徴か、またはそれ以外の要素の影響を受けている可能性を想定することができる。仮に九星独自の影響を考えるとすれば、七赤金星は男女共に度胸があり、あまり緻密に先行きを考えることなく大胆に行動する気質があるとされる。また八白土星の人は、気が変わりやすく誘惑に弱いという気質があるとされるため、どちらの気質もこの結果に表れていると考えれば矛盾がないと思われる(文献3 p.47-49)。

また、月命星と回答との間にも相関を認め、「優柔不断である」の質問に対する五黄土星の回答値、「聞き役の方が好き」の質問に対する五黄土星の回答値が一白水星の回答値よりも有意に高かった。この結果についても、年代や性別による影響ではないことを仮定して解釈すると、例えば後者については、一白水星の月命星を持つ人は、五黄土星の月命星を持つ人よりも聞き役のほうが好きであると自覚している傾向があると解釈できる。五黄土星とは陰の極まりであり、「帝王の星」と言われるような星とされ、気位が高く人の上にたたないと気が済まない一面があるため、聞き役が得意ではないという傾向が示されたと考えることができる(文献番号3 p.44-45)。しかし全体的に見ても、聞き役が好きにあてはまるとした回答が70%前後を推移しており、本命星等関係なく、調査対象は大部分が「聞く・聴く」という医療人にふさわしい気質を持っていることが示唆されている。

今回の調査では、性別と回答、および年代と回答との相関が、九星気学の本命星・月命星との相関よりも強く認められた。一般的な見解として、男性が女性よりも人見知りで、負けず嫌いという傾向はよく当てはまっていると思われるため、それらが数値で示されたことは非常に興味深い。一方で、「わかりやすいと言われる」に対しては女性の方が当てはまるを選択する傾向が示された点については、筆者としては、男性の方が言動がシンプルでわかりやすいのではないかと考えていたため予想外であった。また、各々の年代で特徴的な回答傾向が強く現れたが、いずれの傾向も、高卒世代と社会人を経験してからのリカレント教育世代がの環境が色濃く反映された結果と考えることができる。

「好きな映画のジャンル」に対する結果であるが、六白金星の回答者が顕著に「ドキュメンタリー」を選択している傾向にあった。「ドキュメンタリー」といえば、事実からありのままに作られるノンフィクションのジャンルである。また、金星人は物事を全体として考える特徴があるとされる。六白金星は、「ドキュメンタリー」を鑑賞することにより、全体として深く考え、堅実に我が道を進み、成功を手にする素質があると考えることができる。

「苦手な人のタイプ」に対する結果であるが、今回は特記すべき傾向が得られなかった。これは、選択項目によっては複数の本命星と重複する特徴も含まれていたため、決定的な回答に結び付かなかったためではないかと推測する。全体的な傾向としては、「上から目線」のタイプを苦手と回答する者が多かった。九星気学から考察すると、「上から目線」は九紫火星の特徴であり、9という一番大きい数字を持つため自然と目立ってしまう存在といわれる。したがって、知らず知らずのうちに上から目線となることがあるとされるが、これらの情報は、むしろ九紫火星の星を持つもの自身が、自分の言動を顧みたり注意したりするような場面に有効であろうと考える。患者さんとの会話内で九星気学の五行の関係を取り上げると、会話を広げたり掘り下げたりすることができ、患者さん個人の価値観に入り込む糸口となるような効果が期待できる。患者さんの症状の根本を知るためには、患者さんを多方面から知ることが重要である。こういう時こそ九星気学を参考に、患者さんを知ったり、時に共有したりすることが、症状の改善につながる可能性もあると考える。

「象意(九星別キーワード)」の結果であるが、今回は特記すべき傾向が得られなかったが、九星それぞれのキーワードは日ごろの生活に出てくるものからそうでないものまで、幅広い分野の単語が揃っているため、こちらも患者さんとの何気ない会話の中で、紹介できると一層会話が盛り上がるのではないかと思う。

今回、18~67歳の男女226名より回答を得たアンケートにより、九星気学の本命星と優柔不断、月命星と聞き役の方が好き、および月命星と優柔不断という興味深い相関を認めた。また同時に、回答者の年代および性別によっても回答に差が出ることがわかった。今回のサンプル調査が、特殊な年齢構成を持つ集団から得られたものであるため、この結果を日本人全体にそのまま当てはめるには限界がある。しかし、年代別や性別による回答を見ると、当たり前の傾向が得られているという見方もでき、むしろ社会全体の一部の傾向を再現している集団とも捉えられる。つまり、サンプルの構成が偏っているからといって、全く信頼に値しないわけではなく、むしろ潜在的に参考とすることができる情報を多数含んでいると言えるのではないだろうか。しかし一方で、血液型による性格特性(文献番号6)のように、固執し過ぎることによって対人関係における過剰な先入観を生じかねないため、運用するには、より質の高い追加研究を行い、応用する際の精度を追求し、先入観を持たないための注意を欠くことはできないと考える。東洋医学、そして鍼灸師だからこそできること、それは、西洋医学に比べて長い時間患者さんと接することを活かした、深いコミュニケーションを図れるのが強みであるため、機会があればぜひ九星気学という東洋的観点から患者さんとの会話に深みを出し、信頼関係を築いていければと考える。

 

【結語】

266名から得たアンケートの結果から、九星気学の本命星、月命星、年代および性別によって回答に差があることがわかった。今回のサンプル調査の結果を、日本人全体にそのまま当てはめることはできないが、今後、サンプルの構成比に偏りが生じないよう対象者を広げる必要性と、さらに質の高い研究調査を行うことで、九星気学を施術者と患者とのコミュニケーションを円滑にするためのツールとして活用できる可能性があるものと考える。

【引用文献】

1 新谷歩. 今日から使える医療統計,医学書院,2016,東京,p.39-40, 56-59

2 総務省統計局、2011. http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/List.do?lid=000001118081

3 九星気学基礎知識、http://ak8mans.com/kyuuseikigaku.html

4 深見東州.ネコにも分かる気学入門,たちばな出版,2010,東京,p.44-45,47-49

5 小林三剛.東洋医学講座第十五巻気学九星編(1)

6 長谷川芳典.血液型と性格‐公開講座受講生が収集したデータに基づく俗説の再検討‐,長崎大学医療技術技術短期大学部紀要1,p.77-89

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